迷い

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「迷いの窓」とは四角い窓
「悟りの窓」とは丸い窓
一般的なのは、四角い枠に収まっている窓。
心が迷うのは、隅々が角張っていて良く見えないからか。

チンピラ野郎がYと話していた。
仮に俺の事を喋っていたとしても、
奴も自分の後ろめたさから、
確信に迫る事は出来ないだろう。
派遣の女を囲っている訳だから。
引継ぎ直後のゴミ箱にマスクが捨てられていた。
3日目なんだから誰も捨てる訳が無いので、
昨夜の状態を見たら、奴はマスクをしていなかった。
約束事を守らない人間は、他の、どんな決まり事も守れない。
そして、交際中の男がいる派遣の女にも手を出す。

…まァ、奴の代わりは居るが、俺の代わりは今のところ存在しない。
心配無用さ。

年が明ければ17:40始業だから。
奴が通勤時の渋滞に根を上げるのが目に浮かぶ。
町を出て俺の監視から逃れても、
アホみたいな渋滞に1週間悩まされる事になるとは。
貴様には、その程度の罰でも生温い。

俺の心の迷いが解けるのは、
いつになるのだろう。
気長に待つしかない。
雪が解けるのを春まで待ち続けるかのように…。