偶然

 偶然ってのは、何と申しましょうか、あまり歓迎したくはないですね。

まァ、見なくてもいい闇を見ちまったの鴨、知れんねェ。

同じ車種で、同じナンバー(数字4ケタ)ってのは、有り得ない。

そいつァ、つまり同じクルマって事ザンスよ。

しかし、履いてるホイールのデザインが違うから、核心が持てなかった。

昨日、偶然そのクルマとすれ違った。

ステアリングを握っていたのは、見覚えのある顔でやんした。

だからって、アタシは特別な行動を起こそうとは思わない。

運命の悪戯に翻弄されるのは懲り懲りでやんす。

取り合えず、現状を静観するしかありません。

しかし、何故に1Kのアパートに彼女は引っ越したのだろうか…。

女ってのは、謎だらけですね。

スタローンが、「例え、彼女と100年暮らしても、永遠に分かり合えないと思う」

と言う発言。確かに。


あんな至近距離に、君が来るとは夢にも思わなかったよ。

アレ~妙に変だな~だってオカシイじゃない?

高校生の子供が居るってのに、家を飛び出して来るなんて?

まァでも、旦那の浮気が原因かも知れないし…。


「触らぬ神に祟りなし」「君子危うきに近寄らず」

つまりは、そう言う事よ。

アタシは、インドの修行僧の如く、ストイックな日々を送るしかないのよ。

残念ながら…。