霍乱作戦

傾きかけた泥の船。
社長が臨時に馳せ参じたらしい。
「リストラ」という言葉すら出なかったらしいが、
戦々恐々としか言い様がない。
どこへ行くのだろうか。
さあね、知らない。
行く先など ない方が 旅は素敵だよ。
そんな悠長な事ばかり言ってられんて。
この間の水曜日は何も無かったかのように
ソフトボール部がグランドで練習しとった。
>はよ手放さんかい。
>わしら生活かかっとんのじゃ。
そんな心の叫びは、届きもしない。
憶測を見誤った愚かな者共の哀しい末路。
そんな奴らの巻き添えを喰らうのは
真っ平御免ザンス。
どないやねん。
何をしたいねん。
>年明けは7割くらいは出勤してもらいます。
約束と違うやろ。
嘘つきは泥棒の始まりや。
そんな霍乱作戦に惑わされるような
俺様じゃないわ。
かなり危ない状態なのは言わなくても分かる。
ただ、発言が二転三転されたら、
気持ちも揺れるって。