愛着

明和のシビRスレに書き込んだら、
「そんな古い車に乗ってるんじゃネエ」といった否定的な内容のレスが多い事。
「貧乏人」なんて蔑んだ表現をしてる。
俺は貧乏じゃない。断言出来る。
ただ、今のクルマに代わるモノが見つからない。それだけさ。
実際にDOHC VTECを堪能してる奴が書き込んでいるのなら許せるが、
冷蔵庫グルマを転がしてるヤロウに言われたか無いぜ。
まァ10年も乗ってりゃ愛着も沸くって。
高校生の頃、自動車ジャーナリストの鈴木五郎さんの著書に
「3度目の車検を通さなければ、真のオーナーとは言えない」
という件(くだり)があった。
要は7年乗ってみなければ、そのクルマの本質が味わえないって事。
正直、俺は今のクルマを手放す気にはなれない。
買い増しも「叶わぬ夢」となってしまいました。
付き合いが長いと、情が移ってしまうとです。
今年最後の夜勤を終えて、可愛い子ちゃんのアパートまで
行きそうになったのですが、衝動を理性で抑えました。
もう関係ないねんて。行くなら昼間や。
CBRのカムギアトレーンが奏でる唸りを轟かせて、
俺は小〇木町へ向かってしまうとです。
何も無いのに。
俺の夢の中に、長い睫(まつげ)の大きな瞳が出てきた。
正確に言えば「出て来てしまった」招かざる客みたいなモノ。
俺は、その眼差(まなざ)しに見つめられて、
眠りを遮断された。
もう辞めてよ。俺の心を惑わさないでくれ。
疲れ果てた俺を責めないでくれ。
…今日でサ〇エスから応援に来てくれた人とお別れだった。
可愛い子ちゃんと事ある毎に親しく話していた彼に、
俺が心血を注いで手に入れた彼女の個人情報を渡してやった。
嵐の予感。
と言っても、アパートの間取りと地図と冷蔵庫グルマ野郎との位置関係だけさ。
「可愛いっすよ」
確かにメイクアップした彼女は溜息(ためいき)が出るくらい可愛い。
それは俺も否定しない。
ただ、見境ない下半身事情。これは頂けません。
俺の左手が叫ぶ。
「彼女を陥れろ」と。
俺の右手は悪魔が棲む左手を制御出来るのだろうか…。
酒を煽って眠るだけさ。
本当に好きだったら、汚したくないだろう。
悲しいながら、俺は可愛い子ちゃんを汚しの対象にしてしまっている。
何故なら、彼女がロリエロ隊長だから。